M浄水場工事写真
上部をテニスコートで利用している浄水池の天井スラブコンクリート目地からの漏水。
震災直前に竣工。震災時に水供給停止したのは、この浄水池を空にしたからだと自己嫌悪に陥りました。(実際は、震災時には満水になっていたようです)
注入機
専用の注入機でポンプ吐出圧力は20MPa程度まで加圧することができます。A剤、B剤を、それぞれのデリバリーホースで送出し、先端のミキシングヘッドで混合し注入します。
この注入機は大変高価で、普通乗用車が購入できてしまいます。
注入孔開け
コンクリート厚さの半分程度の深さに薬液が注入できるように約45度程度の角度から削孔します。削孔間隔は、コンクリートの厚さや漏水状況にもよりますが20㎝~30㎝程度です。
削孔径はコンクリート厚さや強度、漏水状況で10㎜、15㎜、20㎜を使い分けます。
削孔ドリルは、安定の Hilti を使用しています。もちろんドリルビットも。
薬液注入
それぞれのデリバリーホースで送出されたA、B剤が、先端のミキシングヘッドで衝突混合し硬化します。
薬液の硬化するまでの時間は調整できます。
太い目地、漏水量が多い場合は数秒で硬化するように調合します。
ひび割れ部の漏水は1~2分程度で硬化するように調合します。
φ20用の注入ノズル
現場には10本程度搬入します。
伝説の止水職人
今回特別にお手伝いに来ていただいた伝説の止水職人Kさん。
数多くの困難な止水工事をやってのけた知る人ぞ知るお方です。
口数は少なく、見て覚えろ!型の職人さんです。残念ながらお亡くなりになってしまいましたが、Kさんの技能のDNAは若い世代に伝承されています。
薬液流出で充填確認
薬液を注入すると、対象の目地から薬液が滲みだします。
水が流れ出ていたのが、だんだんに薬液の割合が多くなり、完全に薬液になったら終了です。その際に目地から薬液が流れ出るを確認するのと同時に、次に注入する削孔穴から薬液が流れ出るのが理想的です。
止水完了
漏水が止まっているのを確認したら、ノズルを取り外して急結剤を平滑に充填して完了です。
お疲れ様でした。